親父は、63歳の時に、お袋の弟に騙されて、保証人になり、弟(私の叔父)が、突然、失踪、数千万円の保証債務を負い、自己破産した。当時、私は、それなりに稼いでいた。さらに仕事柄、交渉力は、一般の人より、高く、弁護士の力を借りずに自己破産手続きを私が行い、無事、免責となった。住んでいた茨城の土地件自宅も私が、安価で買い戻し、以降、私の経済的援助とお袋のパート収入、さらにはサラリーマン時代の年金で、のんびり暮らし、73歳で死んだ。
刺青を見せつける若者
昨日は、もう帰ろうと思って深夜2時、新宿通りの歌舞伎町近くに停まっていた。たくさんのタクシーが列をなして停まっている。すると前方から、半袖Tシャツから刺青をはみ出した若者が歩いてきて、私のタクシーに声をかける。乗ってもいいですか?、すぐにドアを開けた。
少し嫌だったが、言葉使いは丁寧だ。乗ってからも池袋まで、行っていただけますか?できるだけ早くて安いコースで、と話す。新宿から池袋は、どの道を行っても時間も料金もそう変わらない。明治通りを進むコースを進めた。
車内でも極めて、丁寧な態度、池袋東口に着いて、ドアを開けると、とても良い感じでありがとうございました、と言って、終電が終わった駅方向に進んで行った。
人は見かけで判断できない。たちが悪いタワーマンションに住んでいる30代くらいの男や女は、だいたい、傲慢で失礼だ。
刺青を見せびらかす若者の人格を真剣に考えた。
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あさ、7時に出庫する時は相変わらず、ウンザリする。本来の私の仕事ではない。ただ、次々と客をこなし、売り上げがある程度見えてくると、さらに売上をとろうという姿勢に、最近、なっている。昨日の売り上げは8万5千円、これだと手取りが、20時間で5万円弱になる。人間は金に弱い。
多分、こうしてタクシー運転手にハマっていく人が多い気がする。客あしらいは、慣れれば、どうということはない(私にとっては)。慣れたふりをしてこなすか、文句を言う客には、経験が浅いので、と謝れば、最後は客は、ありがとう、と降りていく。日本人は、本質的に気がいいのだ。
さらに時間が自由なので、行きたいところに行ける。私の定番の休憩場所は、日比谷公園の周り、タクシーや業務関係の自動車が公園沿いにいつでも列を成して駐停車している。本来、駐停車禁止の道だが、警察は、習慣を優先して、取り締まっていない。さらに都心のど真ん中の公園なので、駐停車に文句をつける住民も存在しない。
藤の花が見事に咲いていた。
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タクシー会社の超高速健康診断
いいのか、悪いのかわからないが、タクシー運転手には一定の健康が求められる。とは言っても平均年齢は68歳、健康なわけがない。私は64歳だが、叩けば埃の出る身体、尿酸値、高血圧と常備薬なしで、戦っている。もう数十年飲んでいる精神安定剤、ソラナックス、これは常備薬に近い。ただ、心療内科に言わせるとおまじないみたいな薬だともいう。そういえば、飲まなければ、飲まなくて済んでしまう。とくに忙しく仕事をしている時は、飲み忘れて、どうということもない。
所属するタクシー会社で、半強制の健康診断が実施された。運転手は200人以上いる。それを2日間、午前中のみで済ませる。だからと言って、コースはフルコースだ。検便、検尿、心電図検査、聴覚、視覚、血液検査、問診、胸部レントゲン、血圧までやって、私の場合、かかった時間は35分弱、どんな結果になるかはお楽しみだが、多分、問題があっても表沙汰にはならない。
健康診断とは、そのくらい、いい加減なのだ。あるいは、いい加減でもいいのだ。費用は会社負担、推測するに、注意喚起くらいはあっても、それで終わりだろう。私は、ごく若い頃から、血尿の傾向がある。それを2週間入院して、調べても原因不明、体質的にそうゆう人もいるので、治療は必要ない、でここまで来ている。(30年近く)。
すごい世界だ。でも一方、それが正しい気もする。完全な人間などいないのだ。スポーツマンで、健康だった親友が、突然、ある病気の進行性患者として、高額な治療を受けている(パーキンソン病?)。従兄弟は41歳で亡くなった。父は73歳で突然の膵臓癌で亡くなった。九州の友人、親友の弟はアルコール依存からくる多臓器不全で、40歳代で亡くなった。一方、私の母は、認知症で、要介護4でさらに肺がんを宣告されて、施設で元気に過ごしている。
健康は成り行きに任せるしかない。神様が決めることだ。人間や医者が決めることではない気がする。大量のタバコを吸い、お酒を飲みながら、心からそう思う。
げそ天そば
なぜか、食べるチャンスを失う。みのがさのげそ天そば、何度も店舗前を通っている。客が乗っていたり、無線で呼ばれていたり、最近はやっと食べられると、暖簾をくぐりそうになったところで、二人のにいちゃんに呼び止められた。店舗の前にはタクシーが止まっている。私の車ではない。私の車は、少し奥まったところに止まっている。新宿まで行ってくれ、という。断るわけにはいかない。私の車まで誘導して、新宿まで乗せた。
みのがさのげそ天そばへの想いは募るばかりだ。
犯罪天国我が国
泥酔