タクシー会社の超高速健康診断

いいのか、悪いのかわからないが、タクシー運転手には一定の健康が求められる。とは言っても平均年齢は68歳、健康なわけがない。私は64歳だが、叩けば埃の出る身体、尿酸値、高血圧と常備薬なしで、戦っている。もう数十年飲んでいる精神安定剤ソラナックス、これは常備薬に近い。ただ、心療内科に言わせるとおまじないみたいな薬だともいう。そういえば、飲まなければ、飲まなくて済んでしまう。とくに忙しく仕事をしている時は、飲み忘れて、どうということもない。

所属するタクシー会社で、半強制の健康診断が実施された。運転手は200人以上いる。それを2日間、午前中のみで済ませる。だからと言って、コースはフルコースだ。検便、検尿、心電図検査、聴覚、視覚、血液検査、問診、胸部レントゲン、血圧までやって、私の場合、かかった時間は35分弱、どんな結果になるかはお楽しみだが、多分、問題があっても表沙汰にはならない。

健康診断とは、そのくらい、いい加減なのだ。あるいは、いい加減でもいいのだ。費用は会社負担、推測するに、注意喚起くらいはあっても、それで終わりだろう。私は、ごく若い頃から、血尿の傾向がある。それを2週間入院して、調べても原因不明、体質的にそうゆう人もいるので、治療は必要ない、でここまで来ている。(30年近く)。

 

すごい世界だ。でも一方、それが正しい気もする。完全な人間などいないのだ。スポーツマンで、健康だった親友が、突然、ある病気の進行性患者として、高額な治療を受けている(パーキンソン病?)。従兄弟は41歳で亡くなった。父は73歳で突然の膵臓癌で亡くなった。九州の友人、親友の弟はアルコール依存からくる多臓器不全で、40歳代で亡くなった。一方、私の母は、認知症で、要介護4でさらに肺がんを宣告されて、施設で元気に過ごしている。

健康は成り行きに任せるしかない。神様が決めることだ。人間や医者が決めることではない気がする。大量のタバコを吸い、お酒を飲みながら、心からそう思う。