床暖房の故障で自動車の頭金がなくなった

あっという間に我が家は築20年となっていた。建物本体には、必要以上にお金をかけた。重量木骨を使い、さらには、木造3階建てにも関わらず、綿密な構造計算を行う工法で、ともかく頑丈だ。

ところが、付帯設備には、機械なりの寿命があるらしい。まずは、3つあるトイレのウォシュレット、勝手に10年をすぎると、ランプが点滅する。機能には問題ない。メーカーに電話をかけると、10年で点検作業の時期を知らせる機能が組み込まれている、という。機能に問題ないので、無視した。一台2万円の点検経費がかかるというのだ。

次は床暖房、リビングが30畳と広いので、エアコンだけでは、全体が温まらない。妻と私だけなら、エアコンとストーブで十分だが、2人の孫が来る正月以降は、なんとかしたい。

石油式床暖房は寿命を迎えていたようだ。保温液が漏れており、安全装置が働き、すぐに止まってしまう。ハウスメーカーに電話すると、なんと、潰れていた。大手床暖房メーカーの本社は山口県にある。電話しても点検まで、何週間もかかる、という。

めんどくさい、懇意にしている大手ガスメーカーの販売店に電話した。石油床暖房は時代遅れで、変えることはできるが、値段がガスと比較して倍以上かかる。今時、石油床暖房を使っている家庭は極端に減っている。ガスは危険そうで避けたのだが、最近は安全装置が、石油以上、敏感になっており、危険はない、という言葉を信じて、本体ごと、ガス床暖房に変えた。

改めて、床暖房の威力を知った。温度を一定にして、回していると、ストーブもエアコンもいらない。私の家の場合、1階と2階に温水が汲み上がっているので3階も自動的に温まる。

問題は値段だ。20万円強の出費となった。13万キロを超える私のワーゲンアップを買い替えようとしていて貯めていたお金は床暖房になってしまった。

それなりの設の家に住むには、それなりの経費がかかる。収入が安定しない自営業の私には、不相応なのだ。安定した収入で慎ましく暮らすサラリーマンや公務員が羨ましい。自分で選んだ職業で、さらには、自分で選んだライフスタイルだが、歳をとると、どこまで続くか、不安にもなる。