タクシーを辞めたい

真面目バカ

 
昨日から、今日にかけてのタクシー仕事は複雑だった。前回、出勤時、自動車を三度、こすったことで、やる気は失せていた。私には、タクシー運転手は向いていない。最初から、わかっていたことだが、何回も小事故を起こすことで、再認識した。
注意力散漫、集中力はあるが、興味がないことを無理して行うことができない。原稿を書いたり、企画書をまとめたりするのは異常に早い。この能力?をタクシー運転手として、発揮することは、無理だ。昨日の出勤直後、現場の部長に少し、相談があるので、時間をとってくれ、と言った。場合によっては、裁判覚悟で、辞めるつもりだった。上司も強かである。ろくな話でないことは予想できるので、時間は取らない、という。
タクシーは人手不足の象徴だ。何度も自動車をこする私も、売上だけは、人並み以上に上げている。ほぼ、コツを掴んだため、1日6万円以上の売上は、コンスタントに上げている。それが重要なのか、単なる人手不足の問題なのかは不明だ。
昨日の午前中は、ほぼ、やる気なし、そうした時に限って、長距離の無線が入る。3万円を超えた時点で、こんなもんで後は流そう、と思っていたが、次々、中距離が入る。夕方には、5万円を超えていた。そうなると、なんとなく6万円を超えたくなる。最後から2番目の客が、まあ長距離、5万9千円となってしまった。もう、事務所に帰ってあがろうと思うとさらに深夜の無線が入った。これをこなせば6万円は確実に超える。
最後は、思った以上に短距離で、2千円強だった。結果的に6万円の売上を超えてしまった。
辞めたいのに辞められない。根が真面目なのだろうか。家人は、私ほど不真面目で自分勝手な人間はいない、という。不真面目ではないが、自分勝手ではある。次もタクシーに乗ってしまいそうな自分が怖い。