タクシー運転手の目に映る人間の本質

泥酔したおっさんを蒲田からタクシーに乗せて、江戸川区まで運搬した。

金を払う段になってゴネ始める。料金は、12600円、当たり前の深夜料金だ。どうやら、財布を持っていないか、どこかに無くしたらしい。警察に直行しても良かったが、なんとか、Suicaで支払ったので、暴言は、許してやった。「お前の顔は覚えているからな」、吐き捨てて、車外に出た瞬間、安全を確認して、素早く走り出した。関わり合いになるのは、どう考えても損だ。蒲田では、部下だか得意先だかの若い連中が、私によろしくお願いします、と言って、バカ親父を乗せたのだ。

そのあとは、近くで、どう見ても茶髪のブルーカラーらしき若者を2人乗せた。対応が、とても丁寧だ。降りてもありがとうございました、と一礼してくれる。

泥酔する親父、たかが、タクシーに喧嘩を売る親父、一方、茶髪の若者は、それなりに酔ってはいたが、礼儀正しかった。タクシー運転手は、人間の本質が見える。見られて、さらに書かれることを自覚しろ、このくそめ、本名も知っているが、それを明かすのは、勘弁してやる。