今のところ、コンサル仕事とタクシー運転手が、うまく両立していない。どっちも嫌になってしまう。タクシー仕事はともかく、コンサル仕事は、自分を天才だと思っていた。周りの人間もそれを否定しなかった。妻もだ。

ともかく、原稿や企画書を書くのが早い。たぶん、普通のコンサルの3分の1くらいの時間しか、かからない。それで評価は高い。問題解決の方向が30分の面談でほぼわかってしまう。

ところが、そのやり方が否定される事態となった。問題は補助金で、問題解決より、その過程(数百ページの調査書)が重視される。私は、尊敬する先輩コンサル、若い頃から影響を受けた経営者に10枚以上の企画書は書くな、と強く言われてきた。忙しい経営者は10枚の企画書も満足に読まない。せいぜい、5枚に本質が書いていないとダメだ。必要な調査があってもそれは別紙扱いだ。読んでも読まなくても結果は同じだ。

これが儲からないポイントだ。だが、今更やり方を変える気はない。役人や金融機関の自己満足のために紙をむだにする気はさらさらない。

俳句のような企画書が理想だ。

あるお蕎麦屋さんで俳句のような企画書で、苦境を救った。メニューを見て、一瞬、粗利の低さを見て、一瞬「寿司をやめろ」たかが蕎麦屋が、職人を雇って、寿司なんか作るな、そのお蕎麦屋さんは粗利が飛躍的に向上、客単価は変わらず、人件費も大幅に低下、結果的に店を買い戻し、半年に一回家族でハワイに行っている。