報酬とリスクが合わない

昨日のタクシー仕事

 
朝から、あまり芳しくなかった。ぼちぼち、売り上げは上がったものの、大崎なんとかシティのノースゲートの車止めで待て、という無線、そんな車止め、知っているわけはない。高層ビルの間をぐるぐる回ったが、それらしい場所に辿り着かない。あんたには、自宅だろうが、初めて行く私には、迷路より、タチが悪い。
禁断の呼ばれた方から、キャンセル、その段階で、イライラが募っていた。
さらに無線であちこちに呼ばれるが、本当にあちこち、なんだか、都内南部の狭い道を引っ張り回され、売上は、一回1000円以下、やっと、青山方面に逃げられた、と思ったら、これも短い距離の連続。
昨日のテーマは無理しない、休憩をたっぷり取る、安全運転だったので、それは、実行した。
 
最悪だったのが、夜9時過ぎの新橋、その時間、あまり銀座、新橋方面には、行かないのだが、たまたま、リズムの中で、新橋に踏み込んだ。
信号で停止していると、アジア系外国人らしき20歳台の男がフラフラと近寄ってきた。ドアを開け、どちらまで、と声をかけるといきなり乗り込み携帯電話をかざす。ほんの1分で熟睡、30メートル走らないうちに、話がまったく通じなくなる。このまま、走るわけには行かない。
路上に停めて、初めての110番、警官が来るまでの数十分は、恐怖だった。いきなり起き出して、何をするか、わからない。自動車を放り出して、逃げるわけにも行かない。
 
程なく、警官が来て、男を無理やり引き摺り出してくれた。その後、しばらく様子を見ていたが、酔っ払い国籍不明男は路上に座り込んで、動かなくなっている。お巡りさんも困った様子で、なんとか、立ち上がらせようとするが、次の瞬間には崩れ落ちて、携帯電話を振り回している。
結果的に身の危険をそれほど感じることは無かったが、タクシー仕事のやる気が完全に失せた。相当、早めに事務所に戻り、そのまま、帰宅、妻に一連のの出来事を話した。
やはり、リスクと報酬が伴わない仕事である。