押上、サネヒラバシ、ラーメン北三

深夜にラーメンを食べることが、習慣になっている。朝、7時から出勤して、8時にタクシーを乗り出し、翌日、4時に帰る。当初は、眠気と疲れに辟易し、途中退職も考えた。問題は、栄養だった。朝飯を食べる習慣はない。最初の頃は、昼、コンビニサンドイッチ、夜、その気になれば、おにぎり、場合によっては、食べない。これが疲労と眠気の原因であった。

今は、昼食に立ち食いそばとセットのどんもの、夜は22時から23時にラーメンを食べるようになっている。

深夜やっているラーメン店は、マニアックな店が多い。チェーンの日高屋は、深夜やっているところもあるが、それだけでは、嫌だ。最近のラーメン屋のトレンドは、無愛想、味に妙な自信、店独自のルール、はっきり言って生意気な店が多数だ。それでもラーメンは貧乏日本のトレンドらしく、どこも賑わっている。

普通のラーメンが食べたくて、探していたら、押上、スカイツリー近くにラーメン北三を見つけた。メニューは、町中華そのもの、数十種類あって、チャーハンから、生姜焼き定食まで、なんでもありだ。どうやら、とんかつも有名らしい。深夜でも賑わっている。

考えた末、ワンタンメンを頼んだ。900円は町中華のワンタンメンとしては、高額の部類だ。でてきたのは、野菜大盛り、ワンタンたっぷり、の豪華版だった。麺も多め、町中華らしく、スープはクリアスープ、とんこつ風ではない。

カウンターと小上がりだけの店は賑わっており、4人のスタッフが忙しく働いている。これも最近のトレンドラーメン店とは違う。トレンドラーメン店の多くは、ワンマンオペレーション、多くても2人程度で運営している。

トレンドラーメン店は、賃料負担が間違いなく多い。粗利が多少高くても賃料を考えると、人を雇う余裕はない。ところが、創業数十年の町中華は、下手すると自社物件、賃料を払っていたとしても、格安の場合が多い。それで、人件費にお金をかけることができる。こうして、町中華は安定して続く、トレンドラーメン店のいくつが、5年後、生き残っていることか。

北三は、どうやら、息子と思われる若者、さらに祖母と思われる老人でのオペレーションだ。こうした店が安定して、生き残るに違いない。

外装にもお金をかけない良さがある。